アイテム課金の終わりのはじまり? ("Pay once and Play" について)

iTunesのアプリストアに「買い切り」型ゲームのみを紹介するセクションができた、というニュース。

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Touch arcadeのコメント欄は総じて歓迎ムード。まぁ、IAP hatersがここぞと書き込んでいるだけかもしれないけど。

個人的にはけっこう大事なアクションだと感じている。


ゲームアプリのアイテム課金には、未成年が保護者の承認なしに購入をしてしまったり、成年でもゲームにハマってしまって高額を費やしてしまったり、と各国で問題になっているのは周知の通り。
社会問題化している側面もあるのだが、一概に止めましょう、ともならないのが現状。

 

■ゲームを開発・販売するメーカー目線
現状、「無料アプリ+アイテム課金」方式で、一部のコアプレイヤーが行う高額課金に売上のかなりの部分を依存しているのが現状。
いきなりビジネスモデルを転換するのが難しい。

 

■流通を握っているプラットフォーム側の目線
プラットフォーマーとしてはゲームメーカーの売上を守る義理はないのだが、Apple vs Googleという図式の中、ゲームメーカーに逃げられるのは困る。
とはいえ、行政からのクレームも強くなる一方だし、何かしら対策は行いたい

 

という状態の中、今回Appleが出したメッセージ"Pay Once & Play"は、今後の動きに大きな影響を与える可能性もある。

文字面としては「一回払ったら後は自由に遊べるよ」という事なのだが、言外には当然「アイテム課金しなくても」という文脈ありきのメッセージであり、アイテム課金アプリの印象は、相対的に悪くなる。どの程度かは分からないけど。

 

個人的には、
1. 無料
2. 有料払いきり
3. 定期サブスクリプション(月額制とか)
という辺りに収斂するのが望ましいとは思うのだけど、どうなるかは分からない。

 

Googleがどう動くか
APPLEがさらに強いメッセージを出すか(例えば、アプリ内課金の有無でランキングを分けたり)
・今回のバナーにより、掲載アプリの売上にどの程度影響があるか
といった辺りでいかようにもなりうるかな、と。
展開によっては、今回のアクションが、アイテム課金依存ゲームの終わりのはじまりになるかも。

 

少なくとも、特に日本式の「じゃぶじゃぶ課金」に売上を依存していると、大きいリスク要因になっている気はする。

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本当は、
4. 「天井知らずのじゃぶじゃぶ課金」にならない歯止めの効いたアイテム課金
というのもあるべき。比較的良心的な追加シナリオの類はこれになるからなー。
ただ、アプリ審査である程度自動的に判別できるものじゃないと、最終的にレギュレーションにもなりにくいだろうし。
分かりやすいルールにするとしたら、「消耗品かどうか」という線引きかな…?